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未登記建物とは、本来その建物を新築した際に行わなければならない登記が何らかの理由により行われなかった建物のことです。
未登記建物を相続した場合、思わぬトラブルが発生する可能性があるため、対策を行うことが重要になります。
本記事では、未登記建物を相続した場合の注意点と対処法を解説します。
未登記建物とは、本来その建物を新築した際に行わなければならない登記が何らかの理由により行われず、法務局が管理する登記簿に記録されていない建物のことを言います。
未登記建物である理由はいくつか考えられますが、そのうちの1つとして、住宅ローンを利用せずに建物を新築(購入)したことが挙げられます。
住宅ローンを利用するには、抵当権(不動産を担保とすること)を設定する必要がありますが、抵当権を設定するにはその建物が登記されている必要があるため、住宅ローンを利用せずに建物を購入したと考えられるのです。
また、建物を新築すると自動的に登記されるわけではなく、所有者が自ら登記を行わなければなりません。
しかし、法務局や登記所から特に催促されることがないため、放置してしまったと考えられます。
相続とは、亡くなった人の財産や権利、義務を引き継ぐことを言います。
相続の対象となる財産には土地や建物などの不動産が含まれますが、その建物が登記されていないと、いずれ不利益が表面化する恐れがあります。
未登記建物を相続した場合のリスクとして、以下の3点が考えられます。
登記には、その建物の存在を登記簿に記録すること(表題登記)の他に、所有者を記録することで、その建物の法的な所有権を主張することができる(所有権保存登記)という役割もあります。
所有権が登記されていないと、相続手続きにおいて建物の法的な所有者として認められず、他の相続人との間で所有権を巡る紛争が起きる可能性があります。
相続した建物などの不動産を売却する場合、原則として所有者を変更する手続き(所有権移転登記)を行わなければなりません。
しかし、未登記建物の場合はそもそも所有権が登記されていないので、実務上、売却が困難ということになります。
また、買主が住宅ローンを利用する場合はその物件を担保として抵当権を設定しますが、登記されていないと抵当権を設定できず、売買契約が難しくなると言って良いでしょう。
未登記建物でも固定資産税の課税対象です。
市町村は法務局が管理する登記簿に基づいて固定資産台帳を管理していますが、登記されていなくても、建物が存在すれば課税される仕組みになっています。
さらに、土地に建物が建っている場合は固定資産税が最大で6分の1、都市計画税が3分の1になる軽減措置が適用されますが、未登記建物では自治体が建物の存在を把握できていない場合があり、これらの軽減措置が受けられない可能性があります。
上述したように、未登記建物を相続した場合は対処法として早期に登記を行うことが重要です。
登記を行うことで、法的な所有者を明確にし、その後に発生する可能性のある売却などの手続きをスムーズに行うことができます。
未登記建物の登記申請は、以下の順番で行います。
表題部とは、その建物の所在地、構造、床面積といった「建物の情報」を記録する部分です。
この登記を「建物表題登記」と呼び、初めてその不動産に対する登記簿が作成されます。
必要書類には、以下のようなものがあります。
建築確認書は、建築主、構造や大きさといった建物に関する情報を明記した公的認可書類です。
通常、住民票を除くこれらの書類は建物の新築時に手渡しされるものですが、相続した建物の場合は書類を揃えられない可能性もあります。
書類がない場合は、土地家屋調査士に相談して改めて作成してもらうか、代わりとなる書類があるか確認しましょう。
また、土地家屋調査士に依頼することで、登記申請書の作成も行ってもらえます。
権利部には、その建物の所有者は誰で、いつ、どんな原因(売買や相続など)で所有権を取得したかといった「所有者の情報」が記録される部分です。
この登記を「所有権保存登記」と呼び、申請ができるのは表題部に記載のある所有者やその相続人、一般承継人です。
必要書類は、以下のようなものがあります。
所有権保存登記は所有者の情報を登記するだけなので、建物表題登記と比べて必要書類も少なく簡単ですが、申請内容に間違いがあるとやり直しになるので、初めから司法書士に依頼することを検討しても良いでしょう。
未登記建物を相続した場合、早めに登記手続きを行うことが重要ということがわかりました。
登記を怠るとさまざまなリスクが発生する可能性があるため、専門家のサポートを受けることが肝要です。
未登記建物を相続した際は、早めに司法書士に相談してみてはいかがでしょうか。