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公正証書遺言の作成方法や必要書類の集め方について解説

相続

公正証書遺言は、公証人が関与して作成されるため、法的安定性が高いとされる遺言方式ですが、事前準備が重要です。
不動産や預貯金、株式など遺産の種類ごとに必要書類が異なり、収集に時間がかかることもあります。
本記事では、公証役場での手続きの流れと必要書類の集め方を分かりやすく解説します。

公正証書遺言とは何か

公正証書遺言は民法第969条に規定された遺言方式の一つで、公証人が遺言者の口述に基づいて作成する遺言書です。
自筆証書遺言と異なり、遺言者本人が全文を書く必要がなく、原本が公証役場で保管されるため紛失や改ざんのリスクを低減しやすい特徴があります。
また家庭裁判所での検認手続きが不要なため、相続開始後に比較的円滑に遺言内容を実行しやすい点も特徴です。
作成には証人2名の立会いが必要で、遺言の内容に応じた公証人手数料が発生します。
法的安定性が高く、後日のトラブル防止につながる遺言方式として利用されています。
公証人という法律の専門家が関与することで、遺言の有効性に関する争いを防止しやすくなり、相続人間の紛争を未然に防ぐ効果も期待できます。

公正証書遺言の作成手続きの流れ

公正証書遺言の作成手続きは以下のような流れとなります。

公証人との事前相談と内容の確定

公正証書遺言を作成するには、まず公証役場に連絡して公証人と事前相談を行います。
この段階で誰に何を相続させるかという遺言内容の概要を伝え、必要書類のリストを受け取ります。
近年では、公正証書に関するDX化が進められており、事前の打ち合わせや書類確認について、会議システムなどを利用して対応できる場面も増えています。
これにより、公証役場へ何度も出向かなくても、効率的に手続を進めやすくなっています。
また、公正証書の電子化も進められており、電子データで公正証書を取得できる制度も整備されています。
公証人との打ち合わせは電話やメールでも可能ですが、複雑な内容の場合は直接面談が推奨されます。
遺言内容が確定したら、公証人が遺言書の原案を作成し、遺言者に確認を求めます。
原案の内容に問題がなければ、作成当日の日時を調整します。

証人の手配と公証役場での作成当日

公正証書遺言の作成には証人2名の立会いが民法で義務付けられています。
推定相続人や受遺者、これらの配偶者や直系血族は証人になれないため、利害関係のない第三者を選ぶ必要があります。
司法書士など専門家に証人を依頼することも可能です。
作成当日は遺言者と証人が公証役場に出頭し、公証人が遺言内容を確認しながら手続きを進めます。
遺言者および証人が内容を確認したうえで署名押印等を行い、公正証書が完成します。
遺言者が公証役場に出向けない場合は、病院や自宅への公証人の出張も可能です。
手数料は遺言の目的価額に応じて算定され、日本公証人連合会のウェブサイトで確認できます。

遺産の種類別に必要となる書類

遺産の種類別に必要となる書類は以下のとおりです。

不動産を遺言に含める場合

不動産を遺言の対象にする場合、登記事項証明書が必要です。
法務局で取得でき、物件ごとに発行されます。
また固定資産評価証明書または固定資産税の課税明細書なども準備します。
複数の不動産を所有している場合は、名寄帳などを参考に整理することで漏れを防げます。
公証人手数料は遺産の目的価額に応じて算定されるため、評価額の把握が重要です。
不動産の所在地や地番、家屋番号などの正確な情報を確認し、遺言書に明記することが大切です。

預貯金や株式などの財産

預貯金を遺言に含める場合、金融機関名や支店名、口座番号などの正確な情報が必要です。
通帳やそのコピーなど、口座を特定できる資料を準備しておくと作成がスムーズです。
株式については証券会社の口座情報や銘柄、株数の詳細を整理します。
その他、貴金属や美術品などの動産も遺言に含めることができますが、特定できる記載が求められます。
財産の漏れを防ぐため、金融資産を一覧にまとめておくことが重要です。

漏れのない準備を進めるためのポイント

漏れのない準備を進めるためのポイントは、次のとおりです。

遺言者本人に関する必要書類

遺言者本人の本人確認資料として、印鑑登録証明書を用意するのが一般的です。
印鑑登録証明書は発行から3か月以内のものが求められることが多く、実印と併せて使用します。
また、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を利用できる場合もあります。
相続人に関する事項については、遺言者との続柄を確認するために戸籍謄本などを準備します。
書類の有効期限に注意し、作成日程から逆算して取得することが重要です。

専門家への相談が有効なケース

財産の種類が多岐にわたる場合や、相続人関係が複雑な場合は、司法書士など専門家への相談が有効です。
専門家は必要書類の整理や収集、公証人との調整などをサポートできます。
また遺言内容の法的有効性について助言を受けることも可能で、後日のトラブル予防につながる可能性があります。
公正証書遺言の作成には公証人手数料のほか、専門家報酬が発生する場合がありますが、確実な遺言を残すための手段として検討する価値があります。

まとめ

公正証書遺言は、公証人が関与して作成されるため、法的安定性が高いとされる遺言方式ですが、事前準備が成否を分けます。
不動産には登記事項証明書や評価資料、預貯金には口座情報、株式には証券口座の情報などが必要です。
また、遺言者の本人確認書類や相続関係を示す書類、証人の手配も欠かせません。
財産の種類が多い場合や相続関係が複雑な場合には、専門家に相談することで書類の漏れを防ぎ、手続きを円滑に進めることができます。
確実な遺言を残すためにも、必要に応じて専門家のサポートを活用することが重要です。