みどりの司法書士事務所|つくばで相続・遺言・遺産整理の相談をするなら > その他の業務 > 【貸主・借主別】借地権を登記するメリット
土地を借りて建物を建てる際、その権利関係を明確にするのが借地権の登記です。
今回は、借地権の登記の仕組みと、貸主と借主それぞれにとってのメリットについて解説します。
借地権の登記とは、土地を利用する権利が存在することを登記簿の権利部に記載する手続きのことです。
借地権には、大きく分けて以下の2種類があります。
地上権とは、工作物や竹木を所有するために他人の土地を使用することができる物権です。
地上権について、地主には登記に協力する義務があります。
土地賃借権とは、貸主と借主の間の契約に基づく債権です。
地上権は物権であるため地主の承諾なしに土地の転貸や用途変更が可能なのに対し、賃借権は地主との間で行われる契約であるため、その契約に沿わない用途で土地を使用することはできません。土地賃借権については、地主に登記協力義務がありません。
借地権の登記がなされていることで貸主にメリットがあるのは、主に定期借地権である場合です。
定期借地権とは、あらかじめ決められた期間のみ土地を借りる権利のことをいいます。
具体的なメリットは、以下の通りです。
借地権の登記を行うことにより契約更新のない定期借地権であることが登記簿上で明確となることは、貸主にとってのメリットです。
これにより、借主が契約期間の終了とともに土地を返還しなかった場合に、貸主は登記を証拠として明け渡しを求められます。
地主が自分の土地を担保に入れて融資を受ける際、借地権の登記がなされていることで、金融機関が土地の状況を把握しやすくなります。
登記によって銀行が担保評価を行いやすくなり、融資の審査が円滑に進む場合があることは、貸主にとって登記をするメリットのひとつです。
借地権を登記することは、借主にとって、自分の住まいや事業拠点を守るために有効な手段です。
しかし、地主の協力が得られず土地そのものに借地権を登記できない可能性があります。
そのような場合、自分名義の建物の保存登記を行うことで、以下のようなメリットがあります。
借主が借地上の建物の登記をするメリットのひとつは、土地が第三者に売却されたり競売にかけられたりした際に新しい所有者に対して立ち退きを拒否できる権利を得られることです。
このように権利を主張できる法律上の力のことを、対抗力といいます。
登記を備えていれば借地借家法による保護を受けられることは、借主にとって登記をすることのメリットです。
建物が存続している限り、登記がある借主は建物の買取請求権(期間満了時に地主に建物を時価で買い取ってもらう権利)を行使することも可能になります。
借主が借地権の登記や、借地上の建物の登記を行う際には、いくつか注意が必要です。
具体的な注意点は以下の通りです。
借地権の対抗力を得るための建物登記において注意すべきなのは、名義人です。
登記される建物の所有者名は、土地賃貸借契約を結んでいる借主本人でなければならないことに注意してください。
火災や震災によって建物が滅失した場合、建物登記による対抗力は消滅することに注意が必要です。
ただし、借地権そのものが消滅するわけではなく、建物の消滅から2年以内に再築して登記を行えば、対抗力は維持されます。
多くの借地契約では、増改築等禁止特約が設けられています。
そのため、借地上の建物の増改築には制限が課せられる可能性があることに注意してください。
今回は、借地権を登記するメリットについて解説しました。
借地権を登記することは、貸主と借主のどちらにとっても自身の権利を主張するために重要です。
借地権の登記について懸念が生じた場合には、司法書士に相談することを検討してください。