みどりの司法書士事務所|つくばで相続・遺言・遺産整理の相談をするなら > その他の業務 > 財産分与に伴う所有権移転登記を放置するリスクとは?
不動産を財産分与する場合は、不動産の名義を変更する「所有権移転登記」を行う必要があります。
所有権移転登記は義務ではありませんが、放置することによるリスクが大きいため、早期に手続きを検討した方が良いと言えます。
本記事では、財産分与に伴う所有権移転登記を放置するリスクについて、所有権移転登記の重要性とあわせて解説します。
財産分与とは、夫婦が共同生活を送る中で協力して築いた財産を、離婚の際に公平に分配することを請求できる制度です。
夫婦いずれか一方の名義の財産であっても、夫婦の協力のもと形成した財産であれば、財産分与の対象になります。
財産分与についてはあらかじめ協議しておき、離婚と同時に分与することも可能ですし、離婚してから請求することもできます。
ただし、離婚から2年が経過すると家庭裁判所に申し立てをすることができなくなるので、注意が必要です。
所有権移転登記とは、不動産登記の1つで、土地や建物など不動産の名義を変更する手続きです。
不動産登記は、不動産の所在地や面積、所有者の氏名や住所などを登記簿に記録、公開することで権利関係の状況を誰でも確認できるようにし、取引の安全性と円滑化を図る役割があります。
また、登記を行うことで第三者に対して権利を主張できるようになり、所有権や抵当権などを法的に保護します。
所有権移転登記は義務ではありませんが、財産分与を理由に所有権が移転したという意味で、第三者に対して権利を主張するため行う必要があるのです。
所有権移転登記を放置することで生じるリスクを、大きく分けて3つご説明します。
土地や建物などの資産にかかる固定資産税は、毎年1月1日時点で登記簿上の所有者に対して課税されます。
所有権移転登記による名義変更を放置すると元の所有者へ課税され続けることになり、固定資産税の負担が不明確になるなど、トラブルの原因になることが考えられます。
所有権移転登記は、その不動産の所有者が誰であるかを対外的に主張する役割もあります。
仮に、所有権移転登記をしないうちに元の所有者がその不動産を第三者に売却したり担保に入れたりしてしまった場合、財産分与を受けた人は所有権を主張できず、権利が第三者の手に渡ってしまう可能性があります。
所有権移転登記がされていないと、財産分与を受けた人が亡くなった際に相続できない可能性があります。
前項で触れたように、登記はその不動産の所有者を第三者に主張するものなので、財産分与を受けた人がいくら所有権を主張したとしても、登記簿上の名義が元の所有者のままになっていた場合は元の所有者のものということになります。
したがって、財産分与を受けた人が亡くなった際に、財産として相続することができず、相続トラブルとなりかねません。
それでは、具体的な所有権移転登記の手続きについて解説します。
財産分与による所有権移転登記の手続きは、次にあげるように離婚の方法によって異なります。
協議離婚の場合は、財産分与をする人(登記義務者)と財産分与を受ける人(登記権利者)とが一緒に申請する必要があります。
ただし、財産分与による所有権移転登記を行えるのは離婚が成立した後なので、あらかじめ登記手続きの準備をしておくことをおすすめします。
協議離婚した場合に必要な書類は以下の通りです。
〇財産分与をする人
〇財産分与を受ける人
この他に、司法書士に用意してもらうものとして所有権移転登記申請書、登記原因証明情報、司法書士への委任状(権利者、義務者の両方)が必要です。
調停や審判、訴訟での離婚の場合は、財産分与を受ける人(登記権利者)が単独で申請できる場合があります。
単独で申請できる条件として、調停調書などに離婚に伴う財産分与として当該不動産を譲渡、財産分与を原因とする所有権移転登記手続きをする旨の記載がある場合です。
財産分与を受ける人が単独で申請する場合に必要な書類は以下の通りです。
〇財産分与を受ける人
この他に、司法書士に用意してもらうものとして所有権移転登記申請書、司法書士への委任状があります。
財産分与に伴う所有権移転登記を放置すると、大きなリスクがあります。
また、登記手続きは必要な書類が条件によって異なるため、とても煩雑です。
財産分与による所有権移転登記が必要になった場合は、速やかに司法書士へ相談することを検討してみてはいかがでしょうか。