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連絡が取れない・連絡を無視する相続人がいる場合の対処法

相続

相続が発生したとき、遺産を分けるためには相続人全員の話し合いが必要です。
しかし相続人に連絡が取れないひとがいると、手続きが止まる可能性があります。
今回は、連絡がつかない相続人がいる場合の対処法を解説します。

相続人全員の協力が必要な理由

遺産分割協議は、相続人全員が参加して初めて有効になります。
基礎知識を確認していきましょう。

遺産分割協議とは

遺産分割協議とは、相続人全員が集まり、被相続人の財産の分け方を話し合って決める手続きです。 
相続人が2人以上いる場合には必ず必要で、1人でも欠けると協議自体が無効になります。
相続財産として分類されるものは、不動産や預貯金、株式、車、貴金属、家具、借金などさまざまです。
それらを対象として、相続人たちが公平に分け合うために協議を行います。
協議がまとまった場合は、その内容を「遺産分割協議書」として書面に残します。 
協議書には、相続人全員の署名と押印(実印)が必要です。

協議が成立しないと起きる問題

相続人の誰かと連絡が取れないままだと、協議書にその人の署名や押印ができず、手続きがストップします。
そのため、不動産の名義変更や銀行口座の解約なども進められなくなります。
相続税の支払いなど、期限が決められているものもあるため、早期対処が重要です。

連絡が取れない相続人がいる場合の対応方法

連絡が取れない相続人に対応する方法はいくつかあります。

  • 可能な限りの手段で連絡を試みる
  • 家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立てる
  • 家庭裁判所に「失踪宣告」の申し立てをする
  • 裁判所に「遺産分割調停」を申し立てる

それぞれ解説します。

可能な限りの手段で連絡を試みる

まずは、電話や手紙、メール、SNSなどを利用して連絡を試みてください。
住民票や戸籍の附票を取り寄せて、現在の住所を調べる方法もあります。
連絡を取ろうとする過程で、「生きているのか」「そもそも生死が不明なのか」を判断してください。

家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立てる

相続人が長期間行方不明の場合、不在者財産管理人選任を家庭裁判所に申し立てる方法があります。
上記の制度を使えば、代わりに管理人が協議に参加して、遺産分割を進められます。
基本的な流れは、以下の通りです。

①家庭裁判所に申し立てを行う
②不在者財産管理人が選任される
③管理人が相続人の代理として協議に参加

不在者財産管理人は、行方不明者の利益を守りながら、適切な遺産分割を行います。
ただし不在者財産管理人が、遺産分割協議や不動産の売却といった重要な手続きに関わるには、家庭裁判所から「権限外行為の許可」を受ける必要があります。
不在者財産管理人の選任とは別に、手続きが必要なので注意してください。

家庭裁判所に「失踪宣告」の申し立てをする

相続人が行方不明で生死が不明な場合、家庭裁判所に失踪宣告を申し立てるという方法があります。
失踪が認められると、その人は法律上死亡したとみなされ、他の相続人だけで遺産分割が可能になります。
失踪宣告の種類は、大きく分けて「普通失踪」と「特別失踪」の2つです。

【普通失踪】
普通失踪は、特別な事情がないまま、長期間にわたって消息がわからなくなった場合に適用される制度です。 
生死が7年以上不明であることが条件となります。

【特別失踪】
特別失踪は、災害や事故など生命にかかわる危険にさらされた状況で、その後の生死が不明な場合に適用される制度です。 
普通失踪に比べて期間が短く、1年の経過で申し立てが可能です。

ただし後から本人が戻ってきた場合は、相続人としての権利が再び認められる可能性があります。

裁判所に「遺産分割調停」を申し立てる

話し合いに応じない相続人がいる場合には、家庭裁判所に遺産分割調停の申し立てができます。
調停が始まると、調停委員が間に入り、全員の合意を目指して話し合いが行われます。
調停でもまとまらない場合は、審判によって裁判所が遺産分割の内容を決めます。

相続手続きをスムーズに進めるためのポイント

相続手続きをスムーズに進めるには、以下の2点が重要です。

  • 専門家に相談する
  • 遺言書を活用する

それぞれ確認していきましょう。

専門家に相談する

相続に関する問題は、法律や手続きが複雑で、一般の方が独力で対応するには限界があります。 
たとえば不在者財産管理人の選任や失踪宣告の申し立ては、家庭裁判所に対して正確な書類をそろえて申請し、なおかつ法的な要件も満たさなければなりません。
司法書士は不動産登記の専門家であり、登記手続きが関係する場合には特に頼りになります。 
自分だけで対応しようとせず、状況に応じて適切な専門家を選んで相談するのが重要です。

遺言書を活用する

遺言書とは、「誰に」「どの財産を」「どのように」引き継がせるかが具体的に書かれている文書です。
被相続人が生前に遺言書を作成していた場合、その内容が法律に適合していれば、基本的には遺言書の指示通りに財産を分けられます。 
「公正証書遺言」であれば、家庭裁判所の検認手続きが不要で、すぐに手続きを進められます。
もちろん遺言書があるからといって、すべてが円満に進むとは限りません。
遺言によって配分された内容が法定相続人の「遺留分」を侵害していると、遺留分侵害額請求といった法的措置が取られる可能性もあります。

まとめ

今回は、連絡が取れない相続人がいる場合の対処法について解説しました。
相続は、相続人全員の協力が必要な手続きですが、連絡が取れない人がいると進めるのが難しくなります。
可能な限りの連絡手段を使ったうえで、状況に応じて不在者財産管理人や失踪宣告、遺産分割調停といった制度を利用しましょう。
手続きを円滑に進めるためには、司法書士など専門家への相談も検討してください。